[折口信夫×近藤ようこ] 死者の書

時は八世紀半ば、平城京の都が栄えた頃。
いずれ氏神に仕える者として、館の奥深くで育てられた藤原南家の娘――郎女は、
ある年の春分の日の夕暮れ、荘厳な俤びとを、二上山の峰の間に見て、千部写経を発願する。
一年後、千部を書き終えた郎女は、館から姿を消し、ひとり西へ向かう。
郎女がたどり着いたのは、二上山のふもと、女人禁制の万法蔵院。結界破りの罪を贖うため、
寺の庵に入れられた郎女は、そこで語り部の姥から、
五十年前に謀反の罪で斬首された滋賀津彦と耳面刀自の話を聞かされるのだが――。

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